お知らせ
夢のビッグ対談!
2022.11.25
図書館総合展事務局長×ししょまろはんキャラクター
夢のビッグ対談
2022年11月12日、秋晴れの京都。図書館総合展サテライト「ししょまろはん」会場に、東京からお客様をお招きして、ひとつのビッグ対談が行われました。
お客様は、図書館総合展の事務局長であり、図書館キャラクター・グランプリの生みの親の一人でもある長沖竜二さん。
お相手をするのは、ししょまろはんのマスコットキャラクター、緑のイチョウのまろーです。
第一印象は「謎のキャラクター」?
まろー:どうも、こんにちは~。
長沖:こんにちは。久しぶりに、「本物」っていうんですかね、どう言ったら……。
まろー:「司書サイズまろー」やね。
長沖:なるほど。僕、まろーのこと、無口キャラだったかどうだったかなとか、いろんなことを忘れてたんですよ。でね、先ほど一般のお客様がこちらのサテライト会場に来られたんですけど、まろーに普通に話しかけてて(笑)、まろーも普通に答えていたのをみて、結構、僕、かなり衝撃を受けまして(笑)
まろー:そやね、まろーは「躊躇なく喋る」って、ほかのインタビュー記事やらにも書かれてんねん。
一同:(大笑)
長沖:はっはっは(笑)、そうですね。図書館総合展の会場だと広くて、みんなの声がうわーって行き交いしていたので、会話しておられるかどうかもわからず。遠目で見ることが多かったんで、どちらかというと「謎のキャラ」みたいな印象でした。
まろー:そうそう、まろーも今日は長沖はんに「第一印象は?」っていうのを訊きたかってん。
長沖:僕たちは完全に事務局なので、PRシートやテキストでキャラクターの姿を見ることの方が圧倒的に多いんですよ。で、イラストで出てくるししょーやまろーと、この司書サイズのししょーやまろーっていうのが、まず結びついてなかったです。
まろー:せやなあ、ここにも掲示してあるようなPRシートで二次元で出てたんが、図書館総合展の会場に行くと三次元になって。しかも巨大化もするし。
長沖:どこか多分、沖縄とかそういうとこからじゃなくて、京都の方から来たんではないかなという雰囲気は感じていましたが、最初の頃は直接お話することもなかったですしね。なので、本当に謎のキャラクターだと思ってました。
まろー:ははぁ〜。
長沖:ししょまろはんはその背景に、本当に真面目というか、ちゃんとした学習もあるじゃないですか。それがあることも、途中まで気づいてなかったんです。でも正確に言うとね、結びついてなかった、ってことで、だんだんと形がわかってくるような感じでした。
まろー:「ししょまろはん」って、関わる人によっても、どういうグループか印象が違てると思てて。オープンデータのことをやってるグループやと思てる人もいはるし、うまいもん食べ歩いてるグループやと思てる人もいはるし(笑)、ししょまろはんていうたら「没年調査ソン」やと思てる人ももちろんいはるし、「ししょまろはんって、このししょーとまろーのことやろ?」みたいなこともいっぱい言われんねん。せやし、結びつかへんって言われるんも、確かにそやなぁって、まろーも思うわ。
長沖:逆に、総合的にいろんなことをやっているキャラクターってそんなにはいないんですよ。例えば学生の集まりを象徴するイラストだったり、あるいは何らかの図書館内の掲示や表示のための方だったりすることが多いので、ししょーとまろーはかなりアクティブだと思いますよ。
まろー:まあね~(ドヤァ)(笑)
長沖:途中まで本当にどっちがししょーでどっちがまろーかわからなくって、ししょまろはんの関係じゃない人から教えてもらいました。
まろー:そやねえ、やっぱり図書館総合展の会場でも、「どっちがししょーでどっちがまろー?」て何べんも訊かれたわ。まあ、実はこの館内でもずっと言われてるんやけどね。しゃーないわな。
一同:(笑)
長沖:先ほど、こちらのサテライト会場に上がってくる途中に、ししょまろはんの代表の方に「原木はどこですか?」ってお訊きしたんですけど。もちろんオリジナルがどうかとか、資料の世界では重要なわけだけど。特定の木はまだ決まってない?
まろー:うーんと、たぶん「岡崎公園のイチョウの木生まれ」ってPRシートに書いてあったと思う。(メンバーのまろのすけに)まろのすけはん、確認してもらえるやろか?
まろのすけ:(サテライト会場に掲示してあるPRシートを確認して)「生まれた場所・京都岡崎公園のイチョウの木」という記載があるけど、はっきりとどの木とは書いてないみたいです。
まろー:もともと府立図書館の前にイチョウのシンボルツリーがあったけど、新館建て替えのときに、植え替えたかなんかしてて、おそらくこの木ぃやないか? ぐらいで。ちょっとようわからへんし、ししょーはんにレファレンスしてもらうな。
長沖:お土産にイチョウの葉を一枚持って帰ろうと思って。
まろー:あれちゃうかなっていう木ぃがあるかもしれへん。イチョウのこと、聞いてみとくね。
続けて、繋がって……収斂進化!?
長沖:あの「たべまろはん」は、継続的な活動ってことですね。
まろー:そやね、続けて活動してんねん。
長沖:今日ここでも展示されているものは、基本的にデータベース化していくわけですから、継続ものですよね。
まろー:確かししょまろはんができて最初に行った図書館総合展が、ポスターセッションにししょまろはんのポスター出して、メンバー何人かがOpenGLAMのフォーラムに登壇してて、っていう年やねんな。そのときに、今の代表がフォーラムのお話を聞いてたんや。そこで、「データを作っても、途絶えてしまうことが多い」「続けてほしい」みたいなことを誰かが言うてはったんが印象に残ってて、ししょまろはんで作るデータも「できるだけ、細々とでも続けていこう」みたいな感じでやってるみたいやわ。
長沖:続けるのがすごいです。
まろー:食べるんは、楽しいし(笑)、続きやすいねんな。異動で図書館に来て、また外に異動してったメンバーでも、たまに「たべまろはん、一緒に行きましょう」て、それだけ声かけてくれる人もいはるし、そういう関わり方をしてるメンバーもいんねん。そやから、外から見る人にとっても「ししょまろはんはどんなグループか」っていうのはいろんな見方があるけど、中のメンバーでも関わり方がいろいろあって、ちょっと不思議なグループになってるんやわ。
長沖:それで続いてるんですよね。今までも図書館キャラクターの栄枯盛衰はありまして、キャラクター手ぬぐいにはその一年しか載ってないものもある。漏れ聞くだけでも、今はもう途絶えちゃってるキャラクターも結構いますんで、ししょまろはんはすごいなと思います。第一回の手ぬぐいはないんですけど、試作品が私の手元に一個だけあって、そこでもちゃんとししょーとまろーは載ってますよ。
まろー:へぇ〜。そやなあ、ししょまろはんが続いてきた要因の一つとして、図書館総合展でタイミングよく発表の場があったことがあるかなぁ、って思うねんな。ししょーとまろーが発見されたんが、ししょまろはんができた次の年やったと思う。「京都が出てくる本のデータ」を作り始めたよりちょっと後で「キャラクター作ろう」みたいな話になって……。
長沖:ああ、はいはい。
まろー:その頃はまだキャラクターグランプリはなかったんやけど、まろーがメンバーのカバンの中に入り込んで、図書館総合展に行ってん。そんで「図書館キャラクター・グランプリが行われるらしい」ていう噂を聞きつけて、ししょーとまろーが解剖されるみたいに、根掘り葉掘り聞かれて。「あんた、誕生日いつなん?」「いや、知らんわ」みたいな感じで、誰かの家でタコヤキ焼きながら。
長沖:キャラクター持ってきて、それで語る人っていうのは、図書館界でもそこそこいますもんね。カバンの中から出して、写真撮る時に絶対その子が出てきてね。
まろー:まろーもやっぱりカバンに入り込んで。あと、よう撮影されますわ。メンバーが自分の顔を出したないらしくって、そやからししょーとまろーで写真撮るんやって。
一同:(笑)
まろー:ししょーとまろーもいろんなとこに連れてかれるんやけど、レファ協のフォーラムの懇親会かなんかで、おもむろにカバンから取り出されて撮影されてたら、「あの、えっ、ししょまろはんですか?」みたいな感じで(笑)、声をかけられて。
長沖:ええ、ええ。徹底的に、なぜか上手い具合に物語化できてるってことですよね。バレてる「中の人」もいる中で――。
まろー:(きょとんとして)え、何? 何がバレる? まろーはまろーやで。
長沖:その、キャラクターと親御さんが結びついている人も多いと思うんですけど、結びついてなかったっていう。カバンから出してみて、そこで初めて「え、ししょまろはんだったんですね」っていうのはすごい。もうめちゃくちゃいいんですよ。
まろー:例えば、そこのまろのすけはんも、このししょまろはんのサテライト会場にいたら、ししょまろはんのメンバーやろなって思われるやろけど、彼もひとたびどこかに行ったら、ただの○○さんやっていう。けど、まろーを連れてたりすると、「あ、ししょまろはんの人なんだな」って気づかれる。うちの代表の姉さんは、総合展やらどこに行っても、まろーカラーとかししょーカラーの服着てるから「ししょまろはんの方ですか?」ってよう声かけられてるわ。
一同:(笑)
まろー: 2018年か2019年の総合展では、ししょーとまろーが透明のリュックに入れられて背負われてて。それを見て「あの、ししょまろはんの方ですか?」っていう「それはそうやろな」っていうのもあったみたいやで。
長沖:そういえばそういうのもありましたよ、横浜の会場では。いきなりお声をかけるって、ほかの展示会では無いですもんね。知らない人に声かけておられるのは、会場でよく見るなって感じがします。
まろー:人見知りなメンバーは、キャラクターがいると、それがきっかけになってちょっと話せるんがええね、って言うてるわ。
長沖:「図書館キャラクター☆ナイト」ってやってましたもんね。2019かな?
まろー:キャラクターナイトは2017、2018、2019と3回やってるわ。だんだん盛大になってったやんね。
※第1回図書館キャラクター☆ナイト(Togetterまとめ) https://togetter.com/li/1170213
長沖:あれね、倍に人が居る感じなんです。そのキャラクターとしてしゃべるっていうフェーズと、その親御さんとして初めてしゃべるっていうフェーズと。
まろー:(きょとんとして)え、何を言うてはるんですか? キャラクターと親御さんはみんな別やで?
長沖:まあ、飲み会の中で行われている感じで、ちょっと思い出すとすごく不思議な会だったなーって感じがしますね。
まろー:そやなあ。図書館キャラクターナイトはな、ししょまろはんの今の代表が、総合展の周辺で懇親会がいろいろあるらしいけど自分が入れそうなところがなくて、一緒にご飯食べる人もいいひんし、土地勘もあらへんし……ってなった時に、「図書館キャラクター関係の人やったら、ええ感じの懇親会ができるんちゃうか」と思ったらしいねん。それで図書館キャラクターグランプリの出場キャラクターの中から「ウパっち」は絶対毎年いるし、あと「蛾のおっさん」って気になるなあって思て、「幹事を一緒にやりませんか?」って声をかけてんな。
長沖:ああ、そうだったんですね。実は後ろでそういうことが回っていたことは。
まろー:意外といい人選? キャラ選やったんちゃうかなと思うわ。
長沖:思います、思います。
まろー:やっぱり、キャラクターの担当さんが異動になって、キャラクターそのものがいなくなったりするっていう話も聞くと、こういう非公式でフットワーク軽いグループやからいけたんやなーって思うね。
長沖:(笑)はい、そうですね。公式のグループのキャラクターでは、本当に使用範囲が決められているところもありますよね。
まろー:(「ししょまろはん体操」が流れるモニターを指して)うちはこういうのもやってるしな。
長沖:これは、今でも残っている体操ですか?
まろー:そや、おとといもやったやんね(まろのすけを見る)?
まろのすけ:ええ。えっと、部屋戻した時だから――。
まろー:木曜日に、この会場を動かしてて。動画のセッティングしてたら、これが流れ出して、「ほんなら、みんなで体操してから午後の業務しよう!」みたいな。
※ししょまろはん体操(YouTube) https://youtu.be/kNcpFzVzUks
長沖:(「ししょまろはん体操」を見ながら)これ、別々に撮ってるんだよね?
まろー:そやね。コロナの時にそういうのが流行って作ったんやけど、体操自体の構想は5年ぐらいかけてて。
長沖:ははははは(笑)
まろー:コロナのときに運動不足って言われてたから、これはあの体操のネタを実現するとき! みたいな感じで作ることになってん。そういうのが得意そうな館外のメンバーに連絡して、「体操つくりたい」って言うて。
長沖:東北のMULUってご存知ですかね? MULUの体操と、偶然の一致しているような動きが二個ぐらいある。
まろー:あれやんね、「図書館体操」。
※図書館体操第一【公開ver 01】(YouTube) http://www.youtube.com/watch?v=qcMfJmcR4is
長沖:そうそう。
まろー:発案者も「図書館体操」はもちろん記憶してるらしいで。でも、「図書館体操」に似ないようにしたい、と思いつつも、どうしても図書館関係だと同じ動きが出てきて……。
長沖:ええ、ええ(笑)
まろー:例えばこれの「ししょーはんの声に耳を傾ける運動」も、確か図書館体操では、利用者にうんうんと相槌を打つとかそういうのがあったしなあ。あと、ブックトラックを動かすとかも似てくるし。で、あんまり他で出てるのとかぶらないようにしよう、なるべくししょまろはん独自の動きや独自のフレーズにしようって話して……。
長沖:「収斂進化」っていう言葉がありまして。全然別のところで、例えば葉っぱとウパっちが、それぞれ体操を考えてるのに似てくる場合とかってあるんですよ。種類が違っても。「収斂進化」って言われてるんですけど、それかと僕も思ってました。全然別のところで起こった体操でも似てることはあると。
※収斂進化(Wikipedia)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%8E%E6%96%82%E9%80%B2%E5%8C%96
ししょまろはんって、ホントに植物みたい
長沖:ししょまろはんは、歴代でというか、累計で何人ぐらいの方が?
まろー:それが「ししょまろはんの聞かれて困る質問」トップやねえ。今、メーリングリストには40人ぐらいいるらしいけど、いったい何人かっていうんは、実はわからへんねん。イチョウの葉っぱを数えるようなもんやと思うわ。
長沖:そこも植物的ですよね。その範囲がわからなくて、アライブなのか、木を構成してはいるけど生きていないものなのかわからないのが。
まろー:実際にコアに活動している人数はそう多くはないねん。ただ、今回こうやってサテライト会場をやるよって言うて、「ようわからんけど、まあやらせとくか」とみんな思ってやってる中で、ちょっとずつ関わってくれる人が出てきてな。ここを会場にしてると、誰かがちょっと休み時間に来てくれたりして、そういう部活の部室みたいな面も出てきたかなぁ、って思うわ。
長沖:へぇー、いいですねえ。
まろー:普段はししょまろはんのメーリングリストのメール見てるだけっていう人も、ちょっと見に来て、わぁーって一緒におみくじ引いて遊んでくれたり、まろーと写真撮ったり。
長沖:ああ、それは今日ここに来て一番の発見ですね。境界がはっきりしないんだけども、なんとなく薄い関わりの人も含めて全体が保たれて、それがずっと続いてるっていう。――もう完全に僕、植物だと思って話をしているんですけど、それで間違いないですかね? 葉っぱっていうか。
まろー:はい! 「イチョウの精」とかそういう感じで言われることもあるんやけど、もう「イチョウです」って言い切ってんねん。
メンバーの好きなことや得意なことを活かして
まろー:あ、まろのすけはん、今年つくった本をちょっと持ってきてもらえるやろか。
(『メンバーが明かす ししょまろはん活動の秘密』を長沖さんに渡す)
まろー:これ、今年つくってん。としょけっとに出したコピー本で、1冊100円。メンバーのインタビューとか、こうやってまとめてもらったから、まろーも今訊かれたこと、ちょっと話せんねんな。まろーのロングインタビューも載ってるで。
長沖:(本に目を通しながら)ああ、そうなんですか。ふんふん……ふふふっ(笑)
まろー:まろーは14歳やから、都合よく大人っぽくなったり、子どもっぽくなったりすんねん。
長沖:司書サイズの時みたいに大きい時もあれば、小さい時もあるってことですね。うん、あー、でもいいね。なんかわかった。(表紙を見て)この色を選んだの、緑と黄色っていうのは良かったですね。みんなわかってくれる感じなんですね。
まろー:最初にデザインしたときに、イチョウやから緑と黄色でええかって言うて決まってん。今の代表が自分で描いた絵もキャラクター案として出したけど、ボツになって良かったなって言うてはったわ。
長沖:(笑)それちょっと今、見られないんですかね。
まろー:たぶんどっかに画像が残ってると思うけど、もうゆる〜い感じの。ふふ(笑)
長沖:はい(笑)
まろー:これはオフレコなんやけど、最初は「ししょまろはん」っていう名前が先にできて、キャラクターを何か作ろうって言うて、何人かが案を出してきてんな。その中で二つ案を出してきた人がいて「黄色と緑どっちがいい?」ってみんなに訊いてきて、「両方にしよう。そんで、ししょーはんとまろーはんにして、ししょまろはんっていうことにしよう」って言うて今の形になってん。
長沖:なるほど。(本を見て)例えば今年のこの冊子の表紙だとか組版って、結構玄人はだしというんですかね、しっかりしてますよね。
まろー:これは館外にいるメンバーがWordで作ったんやけど、他のメンバーに元々印刷屋さんの人がいて、こういう風にするとちょっとかっこ良くなるんちゃう? ってやり取りしながら形にしてん。
長沖:それは一つししょまろはんの特長でもあると思うんですよ。これって本当にすごく綺麗で、本当に「本」の表紙と近くて、組版も、単純にわーってWordでやったらこうはならないですよね。そこもね、ちょっとほかのキャラクター達と、一線を画している感じがある。
まろー:てへっ(照れる)。
長沖:チラシとかも毎回そんな感じがするんで。
まろー:チラシもみんな、今は館外に出てるメンバーに頼んでんねん。「こんな感じのチラシを作って」って頼んだら「あ、今日忙しいんで明日でいいですかね」って、え、そんなに早いんか、今流行りのAIみたいやって(笑)。こっちが没年調査ソンのチラシをお願いしますって言って、その記載する情報をこっちが用意してる間に「待ち時間でとしょけっとのやつも作ったよ」って言われたり……すごい、すごい、忙しいやろに! って思てんねん。
長沖:さっき見たときからすごいって言いたかったんです。
まろー:おおきに~! そう、いろんなところで言うてるし、その本にも書いてたと思うけど、ししょまろはんって、好きなこととか得意なことを活かしてやっていこうっていうところやねんな。今の代表は何もできひんから、デザインはこの人、イラストはこっちの人、音楽はこっちの人って、みんながそれぞれ得意なことをやって、いろんなもんができてんねん。メインの活動はあんまりせえへんけどお菓子作るのが好き、っていう人はおやつを作って、まろーはそのおやつをもらう。ししょまろはんはミーティングでおやつを食べる会やって思てる人もいるし、それでオッケー。どこかに出かけるときにまろーを連れて行くのがいいとか、ほんまになんでもええねんな。
長沖:まろのすけさんは、何か得意技は?
まろのすけ:あんまりこれといって……。
まろー:いやいや、あの、上の方とやり取りしてもらったり……。
長沖:ははははっ(笑)
まろのすけ:調整みたいなことを。
長沖:重要なことですね。
まろー:そういう調整は苦手やって、今の代表は言うてんねん。今回のサテライト会場の件でも、代表がまろのすけはんにそっと耳打ちして、こういうことやろうと思うんだけど、いい感じでこう上の人にちょっと言っといてーみたいな感じで、まろのすけはんが活躍してるわ。
長沖:重要な役割ですよね。いや、いいですね、時間外にやってるっていうと、本当に、いつも持ってない才能を使う場所があるじゃないですか。そこもいいことであって。たまたまなのか、もしかしたら引き出し方がうまいのかわからないんですけど、クオリティの高いものができてるんでね。
まろー:実は、デザインしたり動画作ったりしてくれる人は、「ししょまろはん体操」を作りたいって言われた時に「ええ、そんなんできひんわ」みたいに思ったらしいねん。で、自分の中になかったものを、こうかなこうかなと思って作って、引き上げてもらったみたいに言うてはって、あ、そんなこともあったんか、何でもできる人だと思ってた、って代表が言うてたわ。
長沖:ああ、ああ。
まろー:図書館キャラクターグランプリも、ゆるい中でPRの仕方を学べるみたいな感じの企画やんね。ししょまろはんも、PRシートを作ってる人が、第2回と第4~6回は同じ人で、第1回は最初の代表、第3回が今の代表で、回によって変わってるねん。そうやって自分にできることでなんとか頑張ったりとか、そういう機会になってんねんな。
長沖:いや、これはレベルの高い中ですけど、考えてみると、第1回のときにあのPRシートを集めたときって、みんなパワポの作り方もうまくなかったんですよね。世の中全般が。
まろー:あ、わかるわ。キャラクター・グランプリは5回やってて、最初はもう8年前になるねえ。
長沖:で、その中で、かなり世の中全般にうまくなってるっていう。図書館界がうまくなってる。
まろー:連絡も大変やったって聞くわ。メールが返ってきいひんとか。
長沖:ええ。Googleフォームとかも使ってない人が多くて、あのフォームに入れてくださいって言っても入らない、みたいな感じでしたからねえ。
図書館キャラクターグランプリと、司書サイズの姿
まろー:今さらやけど、長沖はんはキャラクターグランプリを考えた人なんかな……?
長沖:えっとね、今日ここにいませんけど、A大学のN先生と私が飲み屋で考えて(笑)
まろー:ははははっ(笑)大事なことは雑談から始まんねんな。
長沖:ええ、そうですね。そこに理論をつけるのは、まあ、先生のお役目です。そこから何かを学べますとか、いろんなことが(笑)後付けですね、やっぱりねえ。でも、こんなに着ぐるみが本当にいることも知らなくて、どんなモチベーションで出してくるかっていうのもわかってなかったんですけど、何回か繰り返すうちに、PRする機会自体がそもそもやっぱりないし、パワーを噴出するところもない。あと、館の外に対してPRしなきゃいけない理由もそんなにね……。他府県の図書館に、自分の、しかも図書館のことじゃなくて、キャラクターのことをPRする理由ってよくわからないじゃないですか。でもやってみるとやっぱり意味が出てくるんですよね。知り合いができるとか、そこから情報を得られるとかがあるんで、悪くはないと思う。
まろー:そうそう。キャラクターグランプリがあるって聞いて、ししょーとまろーは巨大化できた。
長沖:ふふふっ(笑)
まろー:誰かの家でタコヤキ焼きながら総合展の相談してたら、あるメンバーが「ししょーとまろー、大きくしよう」って、もう本当に飛び出すように布買いに行って。それで、ミシンが使える人が何人かいたから、切って縫って、誰かちょっと立って、はい布当ててとか、そんな感じでできてん。
長沖:これ、でも、かなり考えないと、この造形にはならないですよね。
まろー:いろんなことがちょうどよかったんやね。イチョウの葉っぱやから、この形状で問題あらへんし。
長沖:伝統芸能に出てくる舞みたいなレベルで、図書館総合展の会場内を歩いているんですよ、すーっと(笑)。無造作に作れる着ぐるみじゃないですよ、これは。二次元のものを三次元に起こすという。
まろー:作ってるところは見てたけど、ミシンやら洋裁やらがわからん方からすると、「なんかすごいことやってる」としか見えへんねんな。「あ、ここはこっち側にいくと傾斜をつけて……」とか言うて。そこもやっぱり、好きなこと、得意なことが活かされてるっていう感じやと思うで。まあ、まろーたちは「着ぐるみ」ちゃうけど。
長沖:ふふふっ(笑)
まろー:誰に言い訳するでもないんやけど、代表が「着ぐるみじゃないけど」って言いながら、キャラクターグランプリのエントリーフォームに「着ぐるみあり」ってチェックしてたらしいで。
一同:(笑)
長沖:あの、頭の部分が、司書サイズとそれ以外で、ちょっと違いますね。
まろー:え、何かちゃうやろか?
長沖:ええと、トップが平らでしょう、ね。
まろー:二次元とか小さいサイズは、やっぱりデフォルメされてるしな。これ、烏帽子やねん。
長沖:あ、じゃあ烏帽子が正しくて、ぬいぐるみとかのほうがデフォルメされている?
まろー:かな? これはこの間、ブレインテックさんのワークショップで作ってみたライブラリーナビで、まろーの紹介が載ってるんやけど(長沖さんにライブラリーナビを渡す)。
長沖:(ライブラリーナビを見ながら)おお! ああ、烏帽子なんだ、やっぱり。葉っぱのヘタの部分かと思ってたんですけど。
まろー:ししょまろはんの「まろ」っていうところに京都感を出してるし、「これはちょんまげではない。烏帽子である」ってメンバーの誰かが言って、じゃあそれでいこうってなってんな。そやし、(自分の頭を指して)これはこれで、正しいスタイルやねん。
長沖:はい、わかりました(笑)
図書館総合展の裏側と楽しみ方
まろー:まろーからもちょっと質問なんやけど、長沖はんの会社のカルチャージャパンは、ずっと図書館総合展のことをやってはるん?
長沖:いや、違うんです。
まろー:あ、違うんや?
長沖:元々は本を預かるっていう外部保管と、あとは本の移動とか引っ越し、再配架の仕事ですね。あとは本の除菌とか、そういうのをやってるんですよ。で、保管って社員がいっつも身体を動かす必要はないでしょう、出納がある時だけだと思う。そういうことでお金もらっちゃう仕事だから、何か身体をつかう恩返しをしたいっていうことで、業界への恩返しとしてありますのが「図書館総合展」です。
まろー:そうやったんやねえ。
長沖:今でも、図書館総合展やりながら、後ろで保管の業務が動いている。
まろー:へぇ〜。でも図書館総合展って、だんだん大きくなってたりしぃひん?
長沖:会場開催では、来場カウンターベースで、3日で3万人から32,000人っていうのがずっと続いていますねえ。十何回からずっとそんな感じです。大きく増えもしないし、もちろん減りもしない。一方、オンライン開催は倍々できてます。最初の年は、オンラインてなんじゃらほいって感じじゃない? そのときは登録数7000人ぐらいだったものが、今日の段階で多分16,000人ぐらい。日本国内の図書館員が毎日そういうペースで増えているわけではないので、どこかで止まるはずなんですけど、そんな規模ですねえ。
まろー:あ、そうそう、まろー、今度東京に連れてってもらえんねんけど、図書館総合展のおすすめのサテライト会場とか、それ以外でも東京のおすすめとか、教えてもらえるやろか。
長沖:ちゃんと観るということで面白いのは、専門図書館を何個か回ることですね。公共図書館などとは明らかに違う資料があって、規模の大きさを競っているというよりは、それぞれにやっぱり色が違うし、館の雰囲気も違う。まずブレインテック会場かBICライブラリあたりに行くと、どこがいいか教えてくれるので、そこを頼りにして行くといいんじゃないかと思うんです。
※ブレインテック会場 https://www.libraryfair.jp/booth/2022/116
※BICライブラリ https://www.libraryfair.jp/booth/2022/136
※サテライト会場★2022(図書館総合展) https://www.libraryfair.jp/feature/2022/55
まろー:そこが入り口というか、レファレンスしてもらうような感じかな。
長沖:短い時間しかいられませんもんね。それと、野球殿堂博物館なんかはかなり面白いですね。水道橋駅のすぐ近くです。
※野球殿堂博物館 https://www.libraryfair.jp/satellite/2022/47
まろー:今年は野球150年やったっけ?
長沖:ああ、そうですね。東京ドームの中にある博物館なので、「東京ドームでメジャーデビューしよう」っていうのをキャッチフレーズにして、日本中の図書館や資料館の持っている資料をそこで展示するっていうのをやって、たぶん総合展終わってもずーっと続けてふくらまそうって話でやってます。確か、博物館と図書館と一緒にやってるんじゃなかったかな。なので、行くと面白いですね。
まろー:そうなんや、ぜひ行ってみたいなあ。まろのすけはんは、何か訊きたいことない?
まろのすけ:総合展に関する調整はやはり大変ですか? コロナ前は、出張とか日本全国回ってはりましたか?
長沖:コロナ前は、全国のみなさんが会場に来てくれて、そこからいろんなことが始まってたんですよ。「あ、新館できるんで来てください」「来年イベントやりたいから下見に来てください」っていう話がきてました。図書館総合展に向けて出張というよりは、図書館総合展が終わってから、いろんなところを見に行くっていうふうでしたね。今はオンラインなので自由には動けないんだけども、そういう「行きます」リストが溜まってます。コロナ下でも新館計画は進んでいますし、行かないといけないですね。お礼で、自分たちの出展ブースに来てくれた人のところに、後で行くって感じですね。
まろのすけ:終わった後に動くんですね?
長沖:ええ。終わった後にいろいろ動いてますね。この会場もハブになっていただいて、今までししょーとまろーが会った図書館リストみたいなのに行っていただいてもいいですねえ。
まろー:実はここ、そんなに人が来たわけじゃないんやけど、でも、ほんまにこのサテライト会場、できてよかったわあ。
長沖:はい。
まろー:うちの代表が言うにはな、キャラクターの賞状か何かと一緒に、ちょっと「あなたのところもサテライト会場どうですか」みたいに入ってた文章を読んで、もしかしてうちでもできるんちゃうかって、うかつにも思ってしまったらしいねん。
長沖:その勧誘文言を書いてるのは、自分のような気もしてます。
まろー:ただやっぱり、オンライン1年目はもう本当に何もわからへんかったし、去年はちょっとだけサテライト会場にも行けて、じゃあ次は自分たちもやっても……いける? いける? みたいな、いろんなタイミングがよかったんかな、って思てるわ。来年、図書館総合展はどうなるんやろ?
長沖:来年は、パシフィコ横浜の大きなホールじゃなくて、その隣の建物をまるまる使います。
まろー:アネックスやっけ?
長沖:アネックスです。ただ、コロナから抜けた後でみんながどういう風にコミュニケ―ションしたいのかがわからないんです。で、来場者もどう考えているかわからないし、出展者もどう考えてるかわかんない。人が集まるといいなあ、と皆さんは言うんですが、本当に来るかわかんない。それを考えるのが今からって感じです。
まろー:ああ、人と会いに出かける口実ができるのも楽しいけど、オンラインやったら家でだらっとして見てられるっていうのもええとこやし。
長沖:ですね。両方のいいところがとれれば。ただ、何を入れて何を抜くかはもうこれからですね。
まろー:図書館総合展、これからの残り後半のおすすめはどういうところなんやろ?
長沖:週明けからは学術方面が増えます。図書館に本当にまだ慣れてない人には、大学の先生が授業の一環として次々出展者にインタビューするっていう企画があります。ツアーと呼んでいます。以前は会場内でブースを回ってた企画ですが、今はツアーって名前なんだけど、連続インタビューですね。会期中に8回くらいあって面白いです。最後の週も図書館キャラクター紙相撲大会とか、色々あります。
※図書館キャラクター紙相撲大会 https://www.libraryfair.jp/forum/2022/651
まろー:せやった、せやった。相撲大会はまろー出るんかな?
長沖:去年の力士をもう一回送っていただいても大丈夫です。新しく鍛えなおすんで。
まろー:力士の現物を送っておく、っていうか置いてきてもええ?
長沖:もちろんです。
まろー:おおきに! ほな、このあたりでまとめていただいて。
長沖:オンラインの世の中になった時に、本当に図書館総合展自体がなくなる可能性だってあった。あったんですけど、おかげさまで皆さんのご支持をいただきまして、応援いただきまして、続いております。それで、来年も変わるし、おそらくその次の年も、前の年と同じことっていうのはないような感じが何回か続くと思うんで、お付き合いいただきたいというか、ぜひぜひみんなみんな、アップデートしながら行きたいと思いますんで。
まろー:普段の元の生活も全く一緒にはなりそうにないけど、いい感じにこう、アップデートしながら……。
長沖:そうですね。面白い方向にできたらと、思っております。よろしくお願いします。
まろー:ホンマに遠いところから、ありがとうございました~。
まろのすけ:ありがとうございました。
長沖:ありがとうございました。