お知らせ

第2回 没年調査ソン in 神奈川 ししょまろはん参加レポート

2024.02.05

2023年11月5日(日)に、神奈川県立図書館を会場に行われた「第2回没年調査ソンin神奈川」にししょまろはんとして参加しました。このイベントは、「没年調査ソンin神奈川」実行委員会が主催、神奈川県立図書館が共催となっております。
ししょまろはんはこの時、図書館総合展のサテライト会場として、京都府立図書館の一室で展示やイベントを行っており、その一環として没年調査ソンin神奈川のリモート・サテライト会場を設定し、Zoomでメンバーが参加しました。
また、ししょまろはんメンバー1名(+ししょー・まろー・ぎんなん坊や)が現地・神奈川県立図書館で直接参加しました。

それぞれ、どのように調査したのか、どういう感想をもったのか、レポートをご覧ください。


報告者:もちまろ(学校図書館勤務)

現在勤務している学校図書館のレファレンスは資料紹介が多くなりがちなので、答えを探して黙々と調べるということ自体がとても久しぶりでした。
楽しかったのですが、行き詰まったときに「この切り口から調べてみよう」が全然出て来なくて、自分自身のレファレンス力の衰えを感じました。

オンラインでレクチャーに参加



報告者:きよまろ(ししょまろはん代表/京都府立図書館勤務)

まずは、神奈川での2回目となる没年調査ソンが開催となったことが、何よりも大変喜ばしいことでした。
「来年(2023年)は、図書館総合展も横浜(=パシフィコ横浜)で開催されるようですし、ぜひその時期に神奈川で開催してもらいましょう」
と、2022年の「没年調査ソン オンライン&リモートx Vol.3」のリモート打ち上げの席で話題が出て盛り上がり、さっそく翌日には神奈川の実行委員の方に連絡したのがきっかけでした。

◎イチ参加者・イチ没年調査ソニストとして
今回はリモートでのただ一人の参加者として楽しんでみよう…と、どきどきわくわく(準備は神奈川の皆さんにおまかせ)。
個人目標は、1人見つかればそれでいい(低い目標)、できたら所蔵資料が使えたらいいな、という感じでした。

私の探し方としては、ちょっと変わったお名前の方や経歴の方を見つけては、京都府立図書館のwebOPAC、京都府立図書館電子書籍サービス、神奈川県立図書館webOPAC(神奈川県関係記事・文献情報検索も)、NDLサーチ、デジコレ全文検索、Google(とりあえずググってヒントを)…などをノートPCの画面にタブをいっぱい開いて検索を繰り返してました。
何度もやっているくせに自分のやり方が確立できていなくて、1人に絞ってどこまでやるか…とか悩みながらの調査。数名、いいところまで行ったのですがなかなか決め手がなく、いったん諦めて次の方を調査…というのを繰り返しました。
しばらく経ってから、新聞に載ってないかと数名分まとめてメモを持ち、別室(別フロア)の新聞データベースを順に調べてみたら、ようやく一人見つかりました。
なるほど、有名な方であればどの新聞にも載るというわけではなくって、経歴によって掲載紙も異なったりするのだなぁ(探した方は某新聞社に勤務経歴があった方でその新聞にのみ掲載あり)と、まるで図書館利用者のような感想を抱きました。

1人みつかって自分の目標は達成ですので、あとは気楽に気楽に。
今度は、いったん調査を打ち切った方を深掘りしました。
とある方、調べれば調べるほどほとんどの情報・経歴が一致しているのに一か所ほんのちょっとだけ違う、これは同一人物とみなしてよいのか…という例にあたり、誤植ではないかとメモに入れました。
この方が同一人物であると認定されていれば2人、しかも所蔵の資料も使っての判明となります。自分で自分にナイスソン!
こうやって調べている時は、没年調査ソンのテーマソングである「没年調査ソンのワルツ」の

  生まれてなして生ききった あの人の最期きざもうや

というフレーズが頭に浮かんできます。うんうん、いい歌詞、いい曲です。

◎運営側として
ししょまろはんサテライトは、経験あるメンバー3人が参加するのみだったのもあり、特に大がかりな事前準備というほどのことはしませんでした。
没年調査ソンによく使う資料や神奈川関連資料をいくらか集めておきました。
お昼は「ししょまろはん体操」で準備運動もしました。

たまたまご来場の方と一緒に
ししょまろはん体操


また、調査タイムには、画面越しではありますが「ナイスソン!」の積極的な声出しを心がけました。

神奈川さんは、何と言っても事前のリストの準備が丁寧です。
ししょまろはんは、リストにあまり手を加えず、「それじゃあ、みんながんばって~」と丸投げすることがほとんどなので、こんなやり方もあるのか…と感心しました。
リストをA・Bに分け、「関連資料数4以上」をBとしたことで、皆さん調査しやすくなったのではないでしょうか。
そして、その準備は大変ではなかったでしょうか…頭が下がります。
また、新聞記事データベースのアカウントを増やしてもらう、という対応がやはりすばらしいです。
(私たちは別室に行かないとデータベースが使えなかったので…)
第1回の時はヨミダスだけだったと記憶していますが、今回は4つのデータベースがアカウント増となったようで、ご対応いただいた新聞社の皆さまにも感謝です。

毎回、神奈川さんにはいい刺激をいただいています。
ししょまろはんも神奈川メソッドを取りいれつつ、ブラッシュアップできたらと思います。
今後も続けて開催もされそうということで、ぜひまた一緒にナイスソンしましょう!



報告者:はらまろ(没年調査ソン長/京都府立図書館勤務)

11月5日(日)に開催された没年調査ソンin神奈川にリモート会場:京都府立図書館から参加しました。
メイン会場が他府県の没年調査ソンは初めての参加です。
没年調査の対象は神奈川県ゆかりの人物のため、京都府立図書館所蔵資料でどこまで調査できるか分かりませんが、『神奈川県史 別編 1 神奈川県歴史人名事典』、『神奈川県姓氏家系大辞典』等の関連資料も集めました。
調査でははじめに難易度高め(既に前回調査済み)のリストAを覗きましたが、全く歯が立ちません。やはり、地元紙や郷土資料に当たらないと難しそうです。そのため、すぐにリストBに乗り換えます。
当初はインターネットを中心に検索していました。ですが、せっかく集めた府立図書館の資料も有効活用したいと思い、人名事典等を見てみると没年判明!しました。まさかリモート会場で、複数名生没年判明できるとは思いせんでした。参考図書、侮れません。
没年調査ソンに参加するたびに、参考図書や郷土資料編纂に携わった方の尽力に頭が下がります。一冊の辞書・事典の背後には膨大な調査資料と費やされた調査・執筆の時間があるのだろうと思います。
そのおかげで今回も「ナイスソン!」「なにより!」と叫ぶことができます。
準備・運営にあたった没年調査ソンin神奈川実行委員会の皆様、ありがとうございました、充実した時間でした。

ナイスソン!

なにより!



「第2回 没年調査ソン in 神奈川」に参加しました!

報告者:まろのすけ(神奈川で現地参加/京都府立図書館勤務)

すいぶん時間が経ってしまいましたが、2023年11月5日に参加した没年調査ソンについて、感想中心の報告をしておきます。当日の私のオブザーバーは、ししょーとまろーです。

神奈川会場にて

 会場は神奈川県立図書館4階の交流エリア。4階にあがると、部屋の中が少し見える状態だったので、安心して入室しました。2022年の新館ということで、自分にとってははじめて訪れた図書館でした。イベント開始直後には、神奈川県立図書館の職員さんに館内を案内してもらいました。集密の公開書庫は、各都道府県の市町村市史が集められており、神奈川県では積極的に集めていた、と教えてもらいました。館内は日曜日のためか、若い利用者さんが多く、居心地のよい館内で、勉強や読書をされている様子でした。外観は、神奈川県立図書館のロゴマークにもある穴あきレンガが特徴的です。前の本館、前川國男館にも穴あきレンガがあり、日光が本に直接当たらず採光できる利点があるそうです。

新館


 イベントでは、館内のWi-Fiが利用可能でした。座席は広めに取ってあり、一人で二つくらいは机を使えたような感じで便利でした。新聞データベースでは、毎日新聞、産経新聞などに加え、中日・東京新聞の新聞データベースが利用可能でした。しかも一つのパソコンで。これは国立国会図書館関西館でのWikipediaイベントと同じような感じで、座席を変わることなく、思いついたら即検索ができてとても便利でした。なお、参加者の方が読売新聞データベースも便利と教えてもらいました。今回、あまり使っていないですが、次回の調査では使ってみたいです。
 調査は、共有されている人物リストがあり、そこから調査しました。参加者は慣れている方が多く、図書、新聞データベースなど駆使して、どんどん没年を判明させておられる状態でした。自分も新聞データベース、インターネット等で特徴的な名前のある人物をひたすら検索、インターネットで没年が判明、という結果でした。図書館司書っぽい調査結果とはなりませんでしたね。会場では、慣れている参加者ばかりのためか、もくもくと調査は進みつつも、没年が判明したことがホワイトボードに記録されると、「ナイスソン!」と声がかけられていました。ちなみに存命だった場合は、「何より!」です。調査が終了したのち、神奈川県の参加者とリモートでつないでいるししょまろはんの京都会場のメンバーが調査内容を報告し合いました。この報告で次回活かせそうなレファレンスツールや、必須のレファレンス資料の便利さに改めて気づくなど有意義な時間となりました。
 さて、ほとんど感想でしたが、イベント後も、参加者と少しお話を聞くことができました。神奈川県の新館は、滞在型の居心地のよい空間であるものの、調査研究に便利な資料がまだ前川國男館にあったりする状況のようです。(現在収蔵館改修工事中。)横浜市立図書館の存在も大きい中で、県立図書館がどのようなコンセプトで運営すべきか、参加者の方が考えておられる様子が印象的でした。京都府も似たような状況なので、今後も神奈川県立図書館の動きに注目したいです。また没年調査ソンも二つの図書館がリモートでつないで調査する、というのは学びが大きかったように思います。はじめて没年調査ソンを実施する図書館を慣れている図書館がリモート支援など、様々なゆるーい形態でもイベントを行えるかもしれません。図書館公衆送信サービスも準備され、没年調査が重要になるなか、今後もナイスソンを目指していきたいと思います。

前川國男館(前本館)


ししょまろはんメンバーからの報告は以上です。
主催された、没年調査ソンin神奈川実行委員会さんの報告がFacebookに投稿されていますので、ぜひそちらもご覧ください。

没年調査ソンふりかえり(没年調査ソンin神奈川実行委員会)

それでは、また今度、次はぜひ京都でナイスソンしましょう!