お知らせ

『みんなの図書館』12月号

2017.11.20

 

こんにちは。「ししょまろはん」のまろーやで!

……というまろーのおなじみのあいさつで始まる文章が、『みんなの図書館』488号(2017年12月号)に掲載されました!
著者は、なんと、まろーです。

まろー宛に届いた『みんなの図書館』12月号

著者のまろー宛に届いた『みんなの図書館』

図書館総合展の会場(キャラクタープレゼン等)でも報告しましたが、まろー自身が書いた「ししょまろはんと図書館キャラクター・グランプリ」という文章が『みんなの図書館』に掲載されたのです。
しかも、な・な・なんと、「関西まろー弁版」なのです。まろーが普段しゃべってる言葉で書いています。

図書館キャラクター・グランプリについて、グランプリに出場するキャラクター自身が語るという、「歴史に残る」(byししょまろはんメンバー)記事になったのではないのでしょうか。

図書館キャラクター・グランプリの準備を進めているなかでの執筆だったようですが、「かえってグランプリと自分自身を見つめ直すきっかけになった」とまろーは言っています。
また、執筆の際には師匠であるししょーのアドバイスも受けたようです。

執筆にはげむまろーと小声でアドバイスするししょー

執筆にはげむまろーと小声でアドバイスするししょー

関西(まろー)弁は、関西以外の方にはわかりづらいかと思って、標準語版も用意してあります。どうぞ。

 

 


ししょまろはんと図書館キャラクター・グランプリ(標準語版)

ししょまろはん
まろー

「ししょまろはん」とは

こんにちは。「ししょまろはん」のまろーです!
「ししょまろはん」というのは、京都・岡崎にある京都府立図書館で働く司書たちによって結成された自主学習グループです。ときどき、2体の葉っぱのことを「ししょまろはん」だと思われることがあるけど、葉っぱのキャラクターは「ししょー」と「まろー」と言います。「ししょまろはん」というのはグループの名前なのです。「ししょ」は「司書」、「まろ」には京都らしさ、そして「はん」には「グループ」の意味合いの「班」と関西で人を呼ぶ時に使う「~はん」の意味が込められていると聞いています。まろーたちも「まろーはん」「ししょーはん」って呼ばれています。
ししょまろはんは、2013年6月に館内の有志16名(正職員8名、非常勤職員8名、葉っぱ除く)で結成されました。異動で図書館から去った人もししょまろはんには在籍していたりして、現在でも20名以上(葉っぱ除く)がししょまろはんのメンバーとして活動しています。
学習グループといっても堅苦しい勉強をするばっかりじゃなくて、メンバーが興味を持ったことにいろいろと取り組んでいくスタイルです。まろーが見てるかぎりでは、まろーにもわかることをやっていることが多いです。
また、係やシフトが違うとなかなか会話もむずかしい図書館の勤務で、「ししょまろはん」が情報交換したりする場にもなっていると聞きます。普段はメーリングリストでやり取りをして、「こんなイベントあるよ」「こんなこと思いついたよ」「アイデアはあるけど…どうしたらいい?」「こうやったらどうだろ?」とメールが行きかいます。まろーも楽しくメールを見ています。

ししょまろはんの活動

ししょまろはんには大きな取り組みがふたつあります。ひとつは、独自のオープンデータ作成で、もうひとつは、ウィキペディアタウンなどオープンデータに関する取り組みに対する支援です。
オープンデータとは、誰もがアクセスできて、再利用・再配布が可能な利用ルールで公開されたデータのことです。ししょまろはんのデータは、CC-BY(「ししょまろはん」のクレジット表示で自由に利用可)で提供しています。
ししょまろはんでは、まず「本」と「京都」を結びつけたデータを作ろう!ということで「京都が出てくる本のデータ」に取り組みました。図書館にある本に限らず、ライトノベルやマンガを含むいろんな本の中に、京都のどこが出てくるか、地理情報やオススメ度、内容紹介などをまとめてデータにしたものです。オープンデータとして公開したことで、スマホアプリにもなりました。今では300件以上の本のデータが登録・公開されています。そしてLODチャレンジ2014では、データセット部門の最優秀賞を受賞しました!
そのほかにも、レファレンス協同データベースのデータを利用した「図書館員が調べた京都のギモン~京都レファレンスマップ~」や、まろーが大好きな「本に出てくる京都のおいしいもの(たべまろはん)」といった、独自のオープンデータを作成・公開しています。
ウィキペディアタウンやオープンデータソンというのは、まち歩きして得た情報と図書館の資料を使って、地域のウィキペディア項目を充実させたり、OpenStreetMapという自由に編集できる地図をみんなで編集したりする活動です。ウィキペディアタウンでは、図書館の地域資料がとっても役に立ちます。まろーも、こういったイベントの時には受付のお手伝いをしたり、宣伝したりします。

ししょまろはんでは、何にも強制されません。好きなことに参加する。得意な分野で活動する。やりたいと思ったらとりあえずやってみる! やってみてから考えてもOK!でやってるそうです。
本を読むのが好きで、たくさんデータ登録する人。イラストが上手な人。手芸が得意な人。工作が得意な人。音楽が好きな人。料理が好きな人。食べるのが好きな人。まろーとお出かけするのが好きな人。ししょーはんの話を聞くのが好きな人。それぞれが、いろんな特性を活かして活動しています。

ししょまろはんのミーティングの様子

ししょまろはんのミーティングの様子

また、毎月の休館日のお昼休みに集まって、おやつを食…大事なミーティングをしています。まろーは、この時間が大好きです。雑談しながらアイデアが出たりします。まろーは未成年だからお酒は飲めないけど、宴会にも連れて行ってもらうこともあります。

ししょーとまろーについて

ししょーとまろーはイチョウの葉っぱです。元気いっぱい青葉のまろーと、円熟の黄金色した葉っぱのししょーはんがいます。ししょーはんは、まろーの師匠で司書なんです。

黄色いししょーと緑のまろー

黄色いししょーと緑のまろー

京都府立図書館のシンボルマークにイチョウが使われていて、ししょーとまろーもそこから生まれたと言われています。向きが反対なのは「反逆の精神」を表しているからだそうです。イチョウは本に挟むと紙魚(シミ)よけになるとか、木が建物を火災から守るとか言われていて、まろーたちも、図書館や本を守れる存在になりたいと思っています。
ししょーはんは、明治に図書館が出来た時に生まれたらしいから推定100歳以上。ずっと書庫にいて本を読んでるからすっごい物知りだけど、ちょっと人見知りなところもあるみたい。なかなか会えないってレアキャラみたいに言われることもあります。
まろーは図書館が建て替えオープンした2001年5月11日に生まれたそうです。初めて図書館キャラクター・グランプリに出場した時にちょうど14歳だったんだけど、不思議なことにその次の年もまたその次の年も、もちろん今年も14歳です。学校には行ってないけど、14歳だからか「中2」って言われることもあります。
そうやって、ししょーとまろーはどちらもずっと図書館にいたんだけど、「ししょまろはん」が結成されて数か月後に初めて、メンバーにその存在を見つけられたのでした。グループが「ししょまろはん」だから「ししょーはん」と「まろーはん」でいいんじゃない、ってできたわけではないんですよ。
その後ししょまろはんの公式キャラクターとして活動して現在に至っています。ただし、ししょまろはんの公式ではあるけれど、図書館の公式あるいは公認キャラクターではありません。なので、あくまで図書館の黙認キャラクターとして活動しているんです。
まろーは、みんなを応援するのが好きなんで、元気ないメンバーにハッパかけるのが得意です。ししょーはんは、その豊富な知識と経験を活かしてレファレンス中のメンバーにアドバイスしたりしますが、声が小さくて聞こえないこともあるらしいです。ししょーはんもまろーも、ミーティングの時にはメンバーの癒やしとして参加しています。
それから、まろーはお出かけが大好きなので、メンバーにいろんなところに連れてってもらいます。京都は観光スポットが多いから、何もなくても出かけたりするけど、本に出てきたスポットを巡ったり、季節の行事を体験しに出かけたりすることもあります。もちろん、ししょまろはんのお仕事としてイベントに参加して、受付のお手伝いや、Twitterなどで広報や実況したりすることもあります。
遠くに行った例としては、国立国会図書館関西館でのレファレンス協同データベース事業フォーラムや、東京でのLODチャレンジの表彰式、そして横浜での図書館総合展にも参加しました。そのたびに、Twitterでのつぶやきをまとめたり、ししょまろはん公式サイト「ししょまろはんラボ」にレポートを書いたりして、報告しています。
思えば、まろーが初めて図書館総合展に参加したのは2014年。メンバーのカバンにこっそり忍び込んで横浜まで行きました。文字通り右も左もわからなくて迷子になったりもしたけれど、いい経験になりました。このことが、次の年の第1回図書館キャラクター・グランプリへの出場へとつながったのだと思います。

初めての図書館キャラクター・グランプリ

そうやって、着々とししょまろはんやまろーたちの活躍の場が広がりつつあった頃、2015年の第17回図書館総合展において、第1回図書館キャラクター・グランプリが開催されることが発表されました。図書館の公式キャラクターでなくてもよいとのことだったので、ノリのいいししょまろはんでは特に反対意見が出ることもなく、ししょーとまろーの参加が決定しました。「とにかく、やってみよう!」
まず、提出用のPRシートと、同時に「ししょまろはんラボ」にそれまでなかったキャラクター紹介ページを作ることにしました。メンバーみんなで集まって、「まろーっていくつなの?」とか「誕生日はいつ?」とか「特技は?」「頭の黒いのはチョンマゲ? え、烏帽子なの?」とインタビューされて、プロフィールができました。まろー自身も気づけていなかったことがわかって、自分を見つめ直すきっかけになりました。
そしてこの時、ししょーはんとまろーの大型化に取り組むことにしました。普段は本のしおりぐらいのサイズで、大きくなってもせいぜい文庫本ぐらいだったのですが、図書館総合展という広い会場で少しでも目立つように、もっと大きくなるべきだろうという意見が出たのです。どうやって大きくしたかの詳細は秘密ですが、アイデアを出すメンバーがいたら、得意なメンバーが形にするという、ししょまろはんらしいやり方でまろーたちは大きくなることに成功しました。
そのほかにも、みんながそれぞれにアイデアを出してそれを形にしていきました。ししょーとまろーの名刺もこの時できました。
また、図書館キャラクター・グランプリではプレゼン大会が行われるということだったので、一緒に出るメンバーと内容を考えたり、練習したりしました。ただ単にししょーとまろーのことを伝えるんじゃなくって、プレゼンのやり方にもししょまろはんらしさや、普段のししょーやまろーの様子がが伝わるように工夫しました。

図書館キャラクター・グランプリの会場にて

みんなでがんばった甲斐もあったのか、「サポート部門」入賞と「審査委員会賞」受賞というダブル受賞となりました。
そして2016年には、第2回の図書館キャラクター・グランプリも行われ、再び「審査委員会賞」を受賞することができました。

ししょまろはんにとっての図書館キャラクター・グランプリ

「図書館キャラクター・グランプリ」は、ししょまろはん、そしてししょーとまろーにとって、大きな「きっかけ」でした。
大型化したり、グッズを作ったり、プレゼンの準備をしたり、PVや歌を作ったり……。普段も、ミーティングや雑談等でいろんなアイデアを出し合ってますが、それらのアイデアを実現させる、新しいチャレンジへの「きっかけ」が図書館キャラクター・グランプリだったのです。実際、第2回の図書館キャラクター・グランプリでは、直前いや当日になっても「歌ができたよ!」「動画完成した!」と新しい成果が出てきていました。みんな、図書館キャラクター・グランプリに間に合うように、とがんばってくれました。ひとつの大きなイベントに対して、みんなで何かを作り上げていく過程は、「大人の文化祭」みたいだとメンバーの誰かが言っていました。
また、図書館キャラクター・グランプリではまろーたち自身をPRすると同時に、できるだけ「ししょまろはん」というグループの活動や、図書館のこともアピールしようと心がけました。ししょー・まろーというキャラクターを通じて、ししょまろはんの活動や成果を一つでも伝えられたらいいなぁ、と思って参加しました。
そして、図書館キャラクター・グランプリという場は「出会いの場」でもありました。 たくさんのキャラクターさんたちや全国の司書さんをはじめとした参加者の人たちと名刺交換をしたり、写真撮影をしたりするのは楽しかったです。あの場に集まったのは、グランプリを共に戦うライバルでもあったけど、その一方で仲間でもあったんです。
そのほかにも、会場を歩いていて「Twitter見てます」とか「ファンです」とか言ってもらえた時もすごく嬉しかったです。「キャラクター×キャラクター」だけでなく「キャラクター×一般参加者」の出会いの場にもなっていたのが、図書館総合展の会場を楽しい雰囲気にしていたと思います。
ししょーとまろーは、第1回、第2回と受賞はしましたが、そのことで特に大きな変化はありませんでした。ひとつの通過点、ですね。

賞状を手に喜ぶししょーとまろー

賞状を手に喜ぶししょーとまろー

今後も、まろーはししょーはんと共に、図書館「公式」のキャラクターではない自由さを活かして、さまざまなことにチャレンジしていきたいと思います。その結果が、もし受賞という形になったら嬉しく思います。
そしてししょまろはんは、本と図書館を取り巻くさまざまな事柄について、「楽しそう」と思えることに、「楽しく」チャレンジしていきたいと思っています!
さて、今年(2017年)も第3回図書館キャラクター・グランプリが開催され、ししょーとまろーもエントリーしています。この原稿が発表される頃には結果が出ていると思いますが、はてさてどうなったのでしょうか……?

図書館キャラクター大集合(第1回図書館キャラクター・グランプリにて)

図書館キャラクター大集合(第1回図書館キャラクター・グランプリにて)


標準語版は以上です。
が、ぜひとも本来の関西まろー弁版で読んでいただきたいです。
まろーも、標準語版を書くのは苦労したようで、関西弁の方がイキイキとしています。
お近くの書店や図書館でお探しください。

NDL-OPACでも検索できるようになってます! 著者はまろー!http://id.ndl.go.jp/bib/028638121
ししょまろはんのいる図書館でも受入作業が済んで、提供できる状態になっているようです。

ぜひ、お手にとってお読みいただけたら、と思います。
以上、ご報告でした。