お知らせ

没年調査ソン2022 オンライン&リモートVol.3 報告

2023.08.21

2022年11月6日(日)、没年調査ソン オンライン&リモートVol.3を開催しました。

今回で、ししょまろはん主催としては7回目、オンライン&リモートは3回目の没年調査ソンです。
そして何といっても、図書館総合展のオンラインイベントとして記念すべき初開催となりました。
また、初めて「没年調査ソン長」(通称・ソン長)というポストを設置して臨みました。今回の報告もソン長からの報告となります。

リアル会場は、図書館総合展のサテライト「ししょまろはん」会場・京都府立図書館3階です。
ししょーとまろーはもちろん、ししょまろはんの活動をまとめたポスターや、出版物、輝かしい数々の表彰状などに囲まれながら、没年調査をしました!

没年調査の対象者は引き続き、「図書館関係者」です。
参加者はリアル会場にししょまろはんメンバー4名(葉っぱ除く)が、各地からのリモート参加は9名。

前回と同じくZoomとGoogleスプレッドシートを活用したハイブリッドでの開催です。リモートでの個人参加メンバーには没年調査ソンに何度も参加頂いているベテランの方や、関東初の没年調査ソンを開催した時の神奈川県のメンバー、また初めて遠方から参加してくださった方もいらっしゃいました。

当日のタイムスケジュールは下記のとおりです。
 ・イントロダクション【レクチャー、各地参加者より他】 13:00~14:00
 ・没年調査ソン 14:00~16:00
 ・成果報告タイム 16:00~16:30

イントロダクションでは、冒頭、わたくし没年調査ソン長からの開会あいさつに始まり、つづいて国立国会図書館関西館電子図書館課・水野翔彦氏から「没年を調べよう!」と題して、著作者の没年調査の意義、調査に役立つ資料・各種ツール、注意点等についてお話しいただきました。

次にリモート参加されている方で、神奈川県・田子さんからは過去に開催された神奈川県での没年調査ソンについて、そして没年調査ソン大ベテランの德田さんからは熱いししょー・まろー愛と没年調査に有効な資料とオンライン上の情報源について詳しくレクチャーしていただきました。あわせて、ししょまろはんメンバー・まろのすけはんから、リアル会場の京府立図書館で利用可能な参考図書やデータベース・電子書籍についても紹介がありました。

イントロダクション最後は、没年調査の具体的な進め方についてししょまろはんメンバー・きよまろはんからの説明です。今回の没年調査対象者がリストアップされているスプレッドシートの見方、調査対象の生年・没年が判明した際の報告・記録方法や、掛け声「なにより!」「ナイスソン!」も欠かせません。

最後はコール&レスポンスで会場・オンラインメンバーとの一体感を高めて、没年調査ソン開始です!

ここからはわたくしソン長・はらまろの没年調査ソンレポートをあげさせていただきます。

没年調査ソンではまず最初に膨大な調査対象者(日本・海外あわせて約800名)から、自分が調べる人物を絞らなければいけません。意外にここで手間取ります。
自分とゆかりのある地域の人物、出身大学関係者、はたまた海外の図書館関係者などいろいろ切り口があります。明治・大正生まれの方でも調べると意外と資料に経歴が掲載されていることもあります。反対に現在存命中の可能性が高い方がオンラインや紙資料でも消息が辿れないこともあります。

ソン長は昨年の反省をいかして(地方自治体の図書館関係者を調べるもその土地の郷土資料が手元に無く「なにより!」「ナイスソン!」も叫べず)、あらかじめ調べる資料を決めてから調査対象を絞ります。
今回、目を付けた資料は『戦前期外地活動図書館職員人名辞書』(岡村敬二/著 武久出版 2017)です。この資料は、戦前、日本の支配下にあった満州などアジア圏の図書館に勤めていた職員の方が多く掲載されている貴重なものです。

ほか3人のししょまろはんメンバーも、あらかじめ会場に準備した「図書館関係者」調査に役立ちそうな辞書・事典類や、2022年運用開始の京都府立図書館の電子書籍、オンラインツールを駆使して調査にあたります。

しばし、もくもくと資料をめくる時間が続きます。

最初の「ナイスソン!」はオンライン参加の方だったでしょうか。ご自宅から参加の方でも、リモートワークの影響もあり、自宅PCから職場のデータベースを使って調べられる方もいらっしゃいます。データベースが無くとも、Googleブックスやオンラインで公開されている論文・記事、アーカイブなど豊富な情報源がインターネットにはあります。

一方で、特定の地域で活躍された人を調べるには、その地域の新聞や年鑑・人物録などの郷土資料が欠かせないと感じることも多々あります。すべてがデジタル化され、オンラインでオープンにされているとは限りません。紙資料とオンライン両方が必要です。

まもなく調査終了の16時が迫ります。スプレッドシートの調査対象者リストに「没年判明」「生年判明」「存命中」の文字や典拠情報がたくさん上がってきます。生没年が判明せずとも、職歴や消息が判明すれば次回の没年調査につながるため、分かった情報もシートに書き加えていきます。

2時間の調査時間が終わると、成果報告タイムです。一人ずつ調査対象者や、使った資料を報告します。初めて没年調査ソンに参加された方もベテランの方も、それぞれの着眼点で調査対象を絞り、資料を駆使して調査されます。十人十色の探索過程を聞くのも、報告タイムの醍醐味です。

今回の没年調査ソンでは没年(生没年)判明27名、生年判明8名、存命確認24名という結果になりました! 2時間という調査時間でこれだけの成果は素晴らしいです。

ソン長は『戦前期外地活動図書館職員人名辞書』を駆使した結果、お一人の生没年、数名の方の生年・経歴等を調べることができました。

たっぷりあるようであっという間の2時間、みなさんお疲れさまでした。

今回の没年調査ソンの成果「没年(生没年)判明27名、生年判明8名、存命24名」を国立国会図書館関西館・電子図書館課著作権処理係に報告した結果、「著作権保護期間満了を確認できた資料3点をインターネット公開」という回答をいただきました!

みんなでわいわい調べて探索技術を向上しつつ、オープンデータにも貢献できる没年調査ソン、ぜひ次回は皆さんもご参加ください!

(没年調査ソン長・はらまろ)

【おまけ】
オンライン開催の時は、打ち上げもリモートで。
乾杯の掛け声は、もちろん「ナイスソン!」